徒然煮物

知識メモ

神道

背景

お盆休みとなり,実家へ帰るとどうしても手持ち無沙汰になりますね. 私も,盆休み最初には「神社」や「お寺」へ参拝しましたが,中ごろにもなるとやることがなくなってしまう・・・ 「神社」「お寺」 七割が無宗教といわれる日本ですが,ほとんどの人がこの二種類の宗教建築へ定期的に訪れるのではないでしょうか. なじみがありそうで,よくしらない宗教について気になったので,今回は「神社」のもととなる「神道」について,調べてまとめました.

神道とは

通常の宗教には,教祖や創始者が存在します.例えば,キリスト教ならばイエス・キリストですね.一方で,神道には教祖や創始者は存在しません. また,「正典」と呼ばれる信仰の基準書も存在しません.つまり,キリスト教の聖書にあたる書物が存在しないのです.(古事記日本書紀古語拾遺宣命は神典とされ,権威ある書物とみなされている) 神道は,始祖や基準書の代わりに,日本の風土や生活習慣を踏まえ,身の回りのあらゆる現象やもの(森羅万象)を神とみなして受け入れる「惟神の道(かんながらのみち)」を基礎とする宗教です.(なお,惟神の道には明確な定義はなく,wikipedia浄住寺の見解にも説明はありませんでした... 少し捉えづらいですね.) 縄文時代(BC 131C - BC4C)を弥生時代(BC 10C - BC 3.5C)・古墳時代にかけて原型が形成されたといわれており,政治体制と関連しながら徐々に成立し,国家形成に影響を与えました.

神道の特徴

神道では,「神」と人間を結ぶ具体的作法として「祭祀」を重視し,祭祀を行う神社を聖域とみなします. 「神」とは,「祖霊」または「日本神話の神」を指し,各神社の祭神として祀ります.

祖霊

祖霊とは,祖先の霊のことです.例えば,天満宮は実在の人物である菅原道真を祭神としています.日本では,人が死んだあと霊が変化すると信じられていました.死んだ直後は死霊となり,しばらくすると祖霊,最終的には神霊になるとされています.死霊→祖霊の間を新霊とも呼び,神の荒々しい側面をさす荒霊とも読みが共通する通り,新霊の時期には祟りとなる可能性があるとされます.

日本神話の神

日本神話の神とは,古事記(8C)や日本書紀(8C)に登場する神です.例えば,伊勢神宮古事記にて太陽の化身とされる天照坐皇大御神を祭神としています.日本神話の神は,天上の高天原にいる天津神と地上の葦原中国に元々いた国津神の二種類に分けられます.

国津神

国津神の祖は,粗暴の限りを尽くし高天原から追放されたスサノオです.追放後,スサノオクシナダヒメとの間に国津神の主宰神となる大国主を授かり,大国主葦原中国の国づくりを完成させました.

天津神

国づくり後,高天原より「天津神の主宰神である天照坐皇大御神の子孫が統治すべき」というお達しがあり,紆余曲折の末,天津国の神へ譲ります(葦原中国の平定).平定後,天孫であるニニギノミコト葦原中国の日向(現在の宮崎県,高千穂)へ降臨し,孫である神武天皇が日向より中国地方・近畿地方を征服し,ヤマト王権を樹立,初の天皇として即位しました(神武東征).

その後の神道

神道には,正典がないためほか宗教と融合しながら変化を遂げてきました.特に,6Cに伝来した仏教は神道と融合し,日本独自の仏教を生みました. 次回以降は,「その後の神道」について触れます.